葉酸サプリは飲まない方が良いのは嘘?葉酸を摂取するメリットを解説

葉酸サプリは飲まない方が良いのは嘘?葉酸を摂取するメリットを解説

妊活中や妊娠中の女性は、葉酸を摂取することが推奨されています。

葉酸は、胎児の神経管の正常な発達をサポートし、先天性異常のリスクを軽減するのに役立つとされています。

それにも関わらず、葉酸サプリの摂取を避けるべきという誤解が広まっているのはなぜでしょうか。

この記事では、葉酸が妊娠において重要なのか、どのように摂取すべきか、葉酸サプリは飲まない方が良いのかについても詳しく解説しています。

この記事を通して、葉酸や葉酸サプリに関する知識を深めることで、葉酸や葉酸サプリが妊娠中や妊活中の女性の健康にどのように貢献するかを理解していただけるでしょう。

目次

葉酸サプリは飲まない方がいいと誤解されている理由を解説

葉酸サプリは飲まない方が良いは嘘?

葉酸サプリを飲まない方が良いと言っている多くの人は、サプリメントによる摂取が自然な食事からの摂取とは異なり、何らかの副作用や耐容上限量の理解不足、健康リスクをもたらす可能性があると誤解し、葉酸サプリは飲まない方が良いと思っています。

しかし、実際には葉酸サプリメントの使用は、食事から十分な量の葉酸を摂取できない場合に、重要な役割を果たします。

まず耐容上限量とは、摂取量が一定の基準値を超えると健康上のリスクが生じる可能性があるという意味です。

厚生労働省のガイドラインによると、耐容上限量は一日あたり1000μgとされています。

この葉酸の量は、日常的に普通に葉酸サプリを飲んでいるだけだと達することはほぼありません。

適切な量での葉酸サプリの摂取は、特に妊活や妊娠中の女性にとっては重要な栄養素となります。

葉酸サプリには副作用の心配はない?

また副作用については、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020」によれば、食事から摂取するポリグルタミン酸型の葉酸を過剰に摂取しても健康障害の報告は存在しないとされています。

葉酸サプリは安全なの?

一般的に、適量で摂取される葉酸サプリメントは安全であり、特に妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性にとっては、胎児の神経管欠損症のリスクを減少させるために推奨されています。

葉酸の摂りすぎは自閉症のリスクが上がる?

高用量の葉酸サプリによって自閉症のリスク増加の可能性について研究されています。

結果としてはそれらに関連性は見られず、関連性についてさらに研究を重ねていく必要があるという結論に至っていました。

つまり、葉酸の摂りすぎは自閉症のリスク増加と関係があるとは言えないとなります。ですが、葉酸サプリを過剰に摂取すると葉酸の摂りすぎに繋がります。

それぞれの葉酸サプリなどに明記されている葉酸含有量を知り、それぞれの時期の葉酸推奨摂取量を見ながら過剰摂取にならないよう注意しましょう。

妊活や妊娠中の女性が葉酸を摂取するべき5つの理由は?葉酸サプリを飲まない方が良いは嘘?

葉酸を摂取すべき理由

神経管形成のサポート

神経管形成とは、胎児の脳と脊髄が形成される過程のことを指します。

妊娠初期の妊娠4週目から6週目頃は、胎児の神経系の基礎が築かれる重要な時期になります。

神経管形成は、胎児の生命や健康にとって非常に重要で、この過程での異常は、胎児の先天性障害を引き起こす可能性があります。

具体的には、神経管が正しく閉じないと、脊髄損傷や無脳症などの症状が発生するリスクが高まります。

これらの先天性異常は、生涯にわたる障害や最悪の場合は死産に繋がることもあります。

葉酸は、この神経管形成をサポートする栄養素として知られています。

葉酸はビタミンB群の一部であり、新しい細胞の生成とDNAの合成に不可欠な役割を果たします。

特に、妊娠初期における胎児の急速な細胞分裂と成長には、葉酸が必要です。

研究によれば、適切な量の葉酸を摂取することで、神経管欠損症のリスクが大幅に減少することが示されています。

そのため、妊活中、妊娠初期の方には、食事からの葉酸摂取に加え、葉酸サプリメントでの摂取が推奨されています。

貧血予防のサポート

貧血とは、血液中の赤血球数やヘモグロビンの量が正常値以下に減少する状態を指し、酸素を体の各部に運ぶ能力が低下することを意味します。

妊娠中の女性が貧血を発症すると、母体だけでなく胎児にもさまざまなリスクが生じるため、貧血の予防は極めて重要です。

母体においては、貧血により疲労感、息切れ、頭痛、めまいなどの症状が現れやすくなります。

また、重度の貧血は心臓への負担を増やし、妊娠中の女性にとっては特にリスクが高まります。

胎児には、酸素と栄養素の供給不足によって、成長遅延や低出生体重の原因となる可能性があります。

妊娠中の女性が貧血になる主な理由の1つが、鉄分の不足です。

妊娠により鉄の必要量が増加するため、十分な鉄分を摂取しないと貧血を発症しやすくなります。

葉酸は赤血球の形成を助け、鉄と共に貧血予防をサポートする働きがあります。

貧血予防のためには、妊娠前からの葉酸の摂取が推奨されてるため、葉酸を含むバランスの取れた食事やサプリメントの摂取により、貧血を予防し、母体と胎児の健康を守ることが重要です。

心臓血管系の健康維持のサポート

妊娠すると、母体の血液量は大幅に増加し、これによって心臓はより多くの血液を必要とします。

血液量の増加は、高血圧のリスクを高めることがあり、妊娠高血圧症候群などの合併症を引き起こすこともあります。

葉酸は、心臓血管系の健康維持のサポートに重要な役割を果たします。

血流を促進することにより、妊娠中の母体の心臓にかかる負担を軽減するのに役立ちます。

これにより、妊娠中の高血圧やその他の循環器系の問題のリスクの減少に繋がります。

認知機能のサポート

葉酸が不足すると、記憶力の低下や集中力の散漫など、母体の認知機能に影響を及ぼす可能性があります。

葉酸は、脳の血流を促進し、神経伝達物質の適切なバランスを保つのに役立ち、認知機能へのサポートに期待ができます。

妊娠中の葉酸の摂取の重要性は、母体の健康だけでなく、胎児の認知機能にも影響を及ぼします。

葉酸は、胎児の脳組織の形成に重要な役割を果たし、健康な認知機能の基礎を築くことに貢献します。

そのため、妊娠前から妊娠期間全体を通じて、葉酸の摂取が推奨されています。

抗酸化作用のサポート

葉酸は、抗酸化作用をサポートする重要な栄養素です。

自由基と呼ばれる不安定な分子が細胞やDNAに損傷を与え、酸化ストレスを引き起こします。

葉酸は、ビタミンB群の一部で、細胞の成長と修復に重要な役割を果たし、酸化ストレスによる損傷を減らす助けとなると考えられています。

さらに、葉酸は細胞の健康維持に必要な他の栄養素と相互作用します。

ビタミンCやビタミンEなどの他の抗酸化物質と共に働くことで、体内の酸化ストレスを効果的に減少させることも期待されます。

細胞を守ることは、胎児の成長に必要な正常な細胞機能を保証するために不可欠です。

推奨摂取量の葉酸を食事だけでカバーするのが難しい理由とは?

葉酸は、胎児の神経管の健全な発達に不可欠なビタミンであり、妊娠中の推奨摂取量は一般の成人女性と比べて多く設定されています。

妊娠中の推奨される葉酸摂取量は、1日に400〜600マイクログラム程度です。

葉酸は緑黄色野菜、豆類、全粒穀物、肉類、果物などに豊富に含まれていますが、これらの食品を毎日十分に摂取するのは、現実的に難しい場合が多いです。

葉酸を多く含む食べ物など

また、葉酸は水溶性ビタミンであり、熱に弱いため、加熱や他の調理過程で栄養素が失われやすい特性があります。

そのため、食事から摂取する葉酸の量は、想定より少なくなることがよくあります。

葉酸サプリを併用する事で推奨摂取量のカバーをサポート

葉酸は、妊娠前から妊娠初期、妊娠の全期間にかけて、十分に摂取することが推奨されています。

しかし、日常の食事だけで推奨される葉酸の量を摂取するのは困難な場合が多いため、葉酸サプリメントの併用が助けとなります。

葉酸サプリメントの併用は、推奨摂取量を確実に摂取するために非常に有効です。

サプリメントによって摂取される葉酸は生体利用率が高く、一定量の摂取を保証することができます。

また葉酸サプリメントは、適切な用量で摂取する限り、副作用のリスクは非常に低いとされています。

葉酸サプリメントの摂取は、医師の指導のもとで行うことが重要です。

特に妊娠中の方は、自己判断でサプリメントを摂取するのではなく、医師や栄養士と相談し、適切な量やどのようなサプリメントを選択するかの判断が必要になります。

葉酸サプリに関するよくある疑問

妊婦以外でも葉酸を摂取するべきですか?

葉酸の摂取は妊婦だけでなく、一般の成人や妊娠を希望している人にも推奨されます。

葉酸は、赤血球の形成を助け、脳の健康を支え、認知機能の維持にも寄与するとされています。

男性においても心臓病のリスク低減などのメリットがあります。

バランスの取れた食事を通じて、また必要に応じてサプリメントを用いて、適切な量の葉酸を摂取することが望ましいです。

葉酸が不足するとどうなりますか?

葉酸が不足すると、貧血の原因となることがあります。

特に妊婦の場合、葉酸不足は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを高めることが知られています。

母体や胎児の健康維持のためにも、十分な葉酸の摂取が重要です。

葉酸はどのくらいの期間摂取するべきですか?

妊娠を希望している人の場合は、妊娠前から少なくとも妊娠初期の3か月まで、葉酸サプリメントの摂取が推奨されています。

これは、胎児の神経管が形成される妊娠初期に葉酸が最も必要とされるためです。

しかし、妊娠全期間を通じて、継続的な葉酸の摂取は、母体と胎児の健康に寄与します。

葉酸と他の栄養素との相互作用はありますか?

葉酸とビタミンB12は、共に赤血球の生成に関与しており、どちらか一方が不足すると、もう一方の効果が制限される可能性があります。

また、葉酸は一部の抗てんかん薬との相互作用が指摘されており、これらの薬を服用している場合は医師と相談することが重要です。

葉酸の吸収を妨げる要因は何ですか?

葉酸の吸収を妨げる要因の1つは、アルコールの過剰摂取です。

アルコールは、腸からの葉酸吸収を妨げ、葉酸の代謝を阻害することが知られています。

アルコールの摂取は避け、バランスの取れた食事を心掛けましょう。

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