【歯科医師監修】自宅でできるホワイトニングとは?種類と特徴を解説
ホームホワイトニングのメリット・デメリットもチェック
2022-10-24
監修:医療法人財団匡仁会理事長 - 末光妙子
目次
「ホワイトニングをしたいけど、歯医者さんにはあまり行きたくない…」「自宅で簡単にホワイトニングしたい」と考える方は少なくないようです。しかし、自宅で行うホワイトニングできちんと効果は得られるのかなど、疑問や不安も感じるかもしれません。
そこで今回は、自宅で行えるホワイトニングの種類と方法、その効果について解説いたします。それぞれの方法の特徴やメリットを理解し、自分に適したケア方法を見つけてください。
自宅でホワイトニングはできるの?
自宅でも行えるホワイトニングケアにはいくつかの種類があります。代表的なホームケアについて、それぞれの目的と特徴、違いをご説明します。
漂白する-ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、「歯科医院で行うホワイトニングにもっとも近い方法」で、汚れを落とすだけでなく歯自体を本来の色以上に白くする効果が期待できます。
専用のマウスピース(歯科医院で自分の歯に合わせて製作したものや、市販のもの)に、歯科医院やオンライン診療で処方された薬剤(漂白効果のある過酸化尿素を配合)を塗って口に装着し、指定された時間まで放置します。ご自宅での仕事や家事、読書の傍らにも使用できるため、忙しい方に人気の方法です。日中に30分~2時間程度装着する「デイタイプ」と、夜寝ている間に装着しておく「ナイトタイプ」があります。
こすり落とす-歯の消しゴム
歯の表面をこすって黄ばみやタバコのヤニなどの着色汚れを落とす「歯の消しゴム」や「スポンジ歯みがき」といった歯面清掃アイテムを使う方法もあります。ドラッグストアなどで市販されていて、思い立った時に手軽に使える点が魅力です。
ただし、これらは表面汚れの除去を目的としているため、歯自体を本来の色以上に白くすることはできません。
塗料で隠す-歯のマニキュア
専用の白い塗料を歯の表面に塗って白く見せる「歯のマニキュア」は、簡単かつ即効性があります。
ただし、市販の安価なものは歯みがきなどの刺激で剥がれやすく長持ちしないため、一時的にすぐ白くしたいときの応急処置など、効果は限定的です。また、歯をキレイにしてから塗布をしないと、歯とマニキュアの間で虫歯菌が広がってしまう恐れがあるため、注意が必要です。
同様の方法で、歯科医院で行う「ホワイトコート」というケアもあり、こちらであれば虫歯のリスクを抑え、1~3ヶ月程度持続できるとされています。
日常ケア-ホワイトニング歯みがき粉
市販されている「ホワイトニング歯みがき粉」は、日々の着色汚れが定着しないように主にブラッシングの力を使って清掃し、歯を本来の白さに近づけキレイな状態を保つためのケアアイテムです。
研磨剤や、汚れを吸着しやすい「ハイドロキシアパタイト」を配合するなど、様々なホワイトニング歯みがき粉が販売されていますが、日本国内では漂白作用のある過酸化水素・過酸化尿素などの配合は禁じられているため、歯の漂白はできません。
なお、研磨剤が含まれているものは汚れの除去に効果が高い反面、歯の表面や歯肉を傷つける可能性もあるため、使い過ぎには注意が必要です。
自宅でも本格的にホワイトニングしたいなら、ホームホワイトニングがおすすめ
自宅で行うホワイトニングのそれぞれの方法には、手軽さや価格など個々のメリットがありますが、効果を重視するなら「ホームホワイトニング」がもっともおすすめです。
ホームホワイトニングのメリットについて詳しく解説します。なお、こちらで解説するホームホワイトニングは、歯科医院で薬剤を処方する場合の内容となります。
歯科医院の施術と同じように、漂白ができる
歯科医院で処方されるホームホワイトニングの薬剤には、歯の漂白ができる濃度10%程度の「過酸化尿素」という成分が配合されています。そのため、自宅で行える他のホワイトニングケアに比べて高いホワイトニング効果が期待できるのです。
なお、市販されている薬剤(過酸化尿素などの漂白成分を含まない)を使用した場合は、効果は歯面清掃に留まります。
トラブル時も安心
歯科医院の指導のもとで行う自宅ケアなので、もし何らかの問題が起きた場合も、医院に相談しやすく適切な処置をしてもらえます。歯科医院でのカウンセリングで事前に口内チェックを行うため、トラブルが起こりづらい点も安心できます。
白さが長持ちしやすい
ホームホワイトニングは、時間をかけて薬剤を浸透させて歯を漂白するため、白さが数ヶ月程度もつとされています。さらに、適切なタイミングでメンテナンスを行うことで、白さを長く保ちやすくなります。
飲食や喫煙などの生活習慣によって再着色する場合もありますが、継続してメンテナンスを行えば比較的色戻りしにくい点が大きな特徴です。
繰り返しのケアでしっかりと白くした場合は、歯科医院での施術よりも色戻りが緩やかになり、長持ちすることもあります。
※使用方法や歯の質により個人差があります。
自分の好きなタイミングで行える
マウスピースの作成や、歯科医師の診察・薬剤処方を受けるために、1回〜数回歯科医院に行く必要はありますが、そのあとは自宅でケアできるため、忙しくて歯科医院に通う時間が取りづらい人も自分のペースでケアすることができます。
ホームホワイトニングのデメリット
効果・安心感・ケアのしやすさなど、メリットの多いホームホワイトニングですが、一方でデメリットと感じる面もあります。
装着時間・白くなるまでの期間が長い
ホームホワイトニングは1回あたり30分から一晩装着し、基本的には毎日続ける必要があります。効果が出るまでの期間は2週間程度かかることが一般的です。
なお、効果やスピードは薬剤の種類や濃度によっても異なり、効果の出方には個人差があります。
飲食・喫煙の制限
歯科医院でのホワイトニング施術と同様、ケア直後は歯が着色しやすくなるため、数10分程度の間は色のついた食べ物や飲み物、喫煙を避けなければなりません。
※ポリリンホワイトニングの場合、コーティングにより再着色を予防するためケア後の飲食制限は不要です。
すべてを自分で行う手間と難しさ
ホームホワイトニングでは、薬剤をマウスピースに塗る・装着して所定の時間置く・終わったら口の中をすすぐ・マウスピースを洗う、という過程をすべて自分で行います。このケアは目的の白さに達するまでの期間、毎日続けることになりますので、次第に手間に感じてくることもあるでしょう。
また、薬剤の塗り方を間違えたり、分量が適切でないなどの原因により、充分な効果が得られない場合もあります。
ここまで、自宅で行うホワイトニングの方法と特徴をご紹介してきました。どの方法にもメリットとデメリットがあり、どれを最も効果的と感じるかは目的によっても異なります。重要なのは、自分の生活習慣や目的に合った方法を選ぶことです。
手軽に受けられる本格施術も - ミュゼホワイトニング
本格的に・手軽に・早く白くしたいなら、歯科医院でのホワイトニング施術もおすすめです。ここでは、「痛そう」「高そう」といった従来のオフィスホワイトニングのお悩みを解決した施術方法を採用するミュゼホワイトニングについてご紹介します。
体に優しいポリリンホワイトニングを採用
ミュゼホワイトニングでは、歯を内側から白くする「過酸化水素」と、過酸化水素の働きを高めつつ刺激を穏やかにしてくれる「短鎖分割ポリリン酸Na」を使用した「ポリリンホワイトニング」という方法を導入しています。
濃度約35%の過酸化水素を使用しているため、ホームホワイトニング以上に高い効果が期待でき、ポリリン酸の働きがダメージから歯を守ります。これにより痛みが少なく、連続して複数回の施術も可能になり、さらにポリリンコーティングにより汚れの再付着を防ぐため、施術後の飲食制限も必要ありません。
歯1本あたり550円とリーズナブルなので、手軽に本格的な効果を求める方や、自宅でのケアを手間に感じる方にぜひおすすめしたいホワイトニング方法です。ぜひ、お近くの医院をチェックしてみてください。
※効果を保証するものではありません。施術の効果には個人差があります。
※痛みや効果には個人差があります。当歯科医院の見解です。
監修歯科医師
医療法人財団匡仁会 理事長・歯科医師 末光妙子 日本大学松戸歯学部付属病院勤務後、一般歯科医院に勤務。虫歯の診療を続ける中で、大切な歯を守るためには予防歯科の普及と、より気軽に歯医者に通うことができる環境が必要と考え、ホワイトニング専門医師として活動を始める。2011年、虫歯予防の効果も得られるホワイトニングの普及のため、専門医院ミュゼホワイトニングの立ち上げに携わり、現在は同歯科医院を運営する医療法人の理事長を務める。
- 所属
- 医療法人財団匡仁会(恵比寿駅前デンタルクリニック・池袋駅前デンタルクリニック)
- 著書
- 『小顔音読~歯科医師が教える、魔法の早口ことば』
- 活動
- 歯科医院向けホワイトニング知識/技術研修の講師・大手企業での口元セミナー・地球こどもサミットや子どもお口電話相談等イベント出演など・8020運動をテーマとした予防歯科イベントの開催・歯科衛生士の接遇スキル・審美歯科の技術向上を目的とした歯科衛生士学校との教育提携・歯科フリーペーパー『FEEDNOTE』で歯科衛生士活躍をテーマにした執筆活動・オーラルケアアイテムの企画/開発/販売 他
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