【歯科医師監修】ホワイトニング施術はしない方がいい?
後悔しないように知っておきたい注意点を解説
2022-12-22
監修:医療法人財団匡仁会理事長 - 末光妙子
目次
歯を白くしたい、ホワイトニングに興味があると思っていても、「ホワイトニングはしない方がいい」「後悔した」などのネガティブな情報も耳にしたことがあり、なかなか踏み切れないという方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ホワイトニングケアの王道である歯科医院の施術について、メリット・デメリットを一つ一つ解説していきたいと思います。
また、ホワイトニング施術をそもそも受けられない場合のケースについても紹介します。ご自分にとってホワイトニングは本当に必要か?そうでないか?を判断する材料にしてみてください。
ホワイトニング施術を受けるメリット
まずは、歯科医院でホワイトニング施術を受けるメリットはどんな点なのかを見てみましょう。
短期間で見た目の印象変化を実感しやすい
歯の色は会話の際に相手の目に止まりやすく、その人の印象を左右する要素の1つとなります。ホワイトニングで歯が白くなると、清潔感や若々しさ、明るさを感じさせ、好印象につながるとも言われています。
歯科医院でのホワイトニングの薬剤には、有資格者(歯科医師・歯科衛生士)にしか扱えない高濃度の「過酸化水素」という漂白成分が含まれています。そのため、市販のホワイトニング歯みがき粉やセルフケアでは得られない白さ(歯の本来の色以上の白さ)を目指すことが可能です。このような高いホワイトニング効果は見た目の印象にも影響するため、歯を白くして印象を改善したい方にとって、比較的満足度が高いケアと言えるでしょう。※
また、高濃度の成分を使用するため効果が現れるまでのスピードも早く、1回の施術でも効果を感じられるケースも少なくありません。歯科医院で処方された薬剤を使って自分で自宅でケアする「ホームホワイトニング」の場合であっても、2週間~1カ月程度で効果を実感し始めます。※
※ホワイトニング施術の効果には個人差があります。
※ホワイトニングの方法や歯の状態によっては、希望通りの白さにならないことがあります。神経のない歯や人工歯などホワイトニングに適さない歯もあれば、白くなるまでに期間を要する方法もあります。
ホワイトニング施術を受けて後悔したケース
歯を白くすることに大きなメリットがある一方で、歯科医院のホワイトニング施術を受けて後悔したという声が聞かれることもあります。どのような点でデメリットを感じたのでしょうか?様々なケースと共に、後悔しないために前もって知っておくべき注意点について解説していきます。
ケース1:歯がしみるようになった(知覚過敏)
ホワイトニング施術を受けると、歯の乾燥と漂白成分であるラジカルの象牙細管内への侵入により、一時的に外からの刺激を受けやすくなり、知覚過敏の症状が現れることがあります。
歯の乾燥は24時間ほどで90%、2~3日で95%、1~2週間で100%回復しますが、その間は息をするだけでしみたり、冷たいもの・熱いものを口にしたときに刺激を感じたりしやすくなります。ただしこれらの症状は、回復に伴って痛みが薄れていくのでご安心ください。
また、歯の表面のエナメル質が「食いしばり」や「歯ぎしり」などの影響で損傷を受けている場合、知覚がある象牙質に直接薬剤が触れた際に、痛んだりしみる可能性があります。
ケース2:逆に歯が黄ばんだ
ホワイトニング直後は水分の吸収とともに周囲の色素を吸い込む可能性があり、着色しやすい状態になります。色の濃い食べ物や飲み物で色素沈着・黄ばみが発生する恐れがあるため、ホワイトニング施術直後は飲食制限を課されることが一般的です。
ただし「ポリリンホワイトニング」のように、歯へのダメージや乾燥を防ぐ成分が含まれる薬剤を使用した施術の場合、色素の吸い込みが起こらないことや歯の表面コーティングの働きにより着色の心配がなく、飲食制限の必要もありません。
ケース3:すぐに色戻り(再着色)した
ケース2とも関係しますが、ホワイトニング効果(白さ)の持続期間は生活習慣により影響を受けます。色素が多く含まれる食べ物・飲み物を多く摂取する人や喫煙の習慣がある人は、ホワイトニングによる白さが持続しづらく、再び着色するまでの期間が比較的短くなります。
ホワイトニング施術後は、無理のない範囲で着色予防やこまめなケアを心がけ、早期の色戻りを防ぐことをおすすめします。
ケース4:歯茎の痛み
歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは、通常は歯茎の粘膜を保護してから施術をします。しかし、保護が不充分な場合やホワイトニング薬剤が漏れた場合、薬剤が歯茎に付着して刺激が加わり、痛みが出る可能性もあります。
自宅で「ホームホワイトニング」を行う際も同様の痛みが出る可能性があり、医療関係者が周りにいない状況で自分自身でケアするため、慎重に行う必要があります。
ケース5:施術費用が高額になった
歯科医院でのホワイトニングは、保険適用外です。数千円〜1万円程度でできる場合が一般的ですが、数万円~10万円以上かかる場合もあります。
導入する薬剤・設備などによって金額が大きく異なるため、事前によく確認しましょう。
ホワイトニングができないケースとは?
体質などにより、ホワイトニング施術自体が受けられない場合があります。通常、歯科医院では事前に確認が行われますが、身体に関わる重要な点もありますので、事前によく理解しておくことをおすすめいたします。
無カタラーゼ症
体内に過酸化水素を分解する「カタラーゼ」という酵素がない人は、ホワイトニングの施術を受けられません。歯科医院でのホワイトニングの薬剤には過酸化水素が含まれており、歯の漂白に役立つ一方、体内に長く残ると口腔内で壊死などを引き起こす恐れがあるため非常に危険です。
無カタラーゼ症の方は、絶対にホワイトニング施術を受けないようにしてください。
詰め物や人工歯
ホワイトニングの効果が発揮されるのは天然歯に対してのみです。詰め物や被せ物、人工歯などは白くならないため、ホワイトニングを行う意味がありません。
このような人工歯がある場合は、天然歯だけを1本単位で選んで施術が受けられる医院を選ぶことがコスト面ではおすすめと言えます。
妊娠・授乳中の人
ホワイトニング薬剤は基本的に人体に影響はないとされています。しかし、胎児や乳児は抵抗力が低いため、安全を考えて妊婦や授乳している人はホワイトニング施術を避け、妊娠期・授乳期が終わってから始めましょう。
「しない方がいい」を解決したポリリンホワイトニング
ミュゼホワイトニングで導入し、全国の加盟医院で利用できる「ポリリンホワイトニング」という方法は、
- 歯をダメージから守ってくれるため痛みが少ない
- 歯に潤いを与えて色戻りを防ぐため、飲食制限不要・白さが長持ちしやすい
- 専門の研修を受けたスタッフが担当するため安心
- 歯1本につき550円、1本単位で利用可能(※医院によっては最低本数が決められている場合もあるため要確認)
という特徴があります。
歯科医院で経験豊かなプロ(歯科医師・歯科衛生士)の手による丁寧な施術で、高い効果が期待できるポリリンホワイトニングをぜひお試しください。
※効果を保証するものではありません。施術の効果には個人差があります。
※痛みや効果には個人差があります。当歯科医院の見解です。
監修歯科医師
医療法人財団匡仁会 理事長・歯科医師 末光妙子 日本大学松戸歯学部付属病院勤務後、一般歯科医院に勤務。虫歯の診療を続ける中で、大切な歯を守るためには予防歯科の普及と、より気軽に歯医者に通うことができる環境が必要と考え、ホワイトニング専門医師として活動を始める。2011年、虫歯予防の効果も得られるホワイトニングの普及のため、専門医院ミュゼホワイトニングの立ち上げに携わり、現在は同歯科医院を運営する医療法人の理事長を務める。
- 所属
- 医療法人財団匡仁会(恵比寿駅前デンタルクリニック・池袋駅前デンタルクリニック)
- 著書
- 『小顔音読~歯科医師が教える、魔法の早口ことば』
- 活動
- 歯科医院向けホワイトニング知識/技術研修の講師・大手企業での口元セミナー・地球こどもサミットや子どもお口電話相談等イベント出演など・8020運動をテーマとした予防歯科イベントの開催・歯科衛生士の接遇スキル・審美歯科の技術向上を目的とした歯科衛生士学校との教育提携・歯科フリーペーパー『FEEDNOTE』で歯科衛生士活躍をテーマにした執筆活動・オーラルケアアイテムの企画/開発/販売 他
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